感動を求めて、忙しすぎる「ひまつぶし」に追われている団塊世代の男の記録。
by nori-126
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吉例顔見世興行 夜の部 京都南座 その1

 12月17日(水)京都顔見世の夜の部を観に行った。南座に掲げられた「まねき」と和服の観客をみると、年の瀬を実感する。今年は、吉右衛門、玉三郎、海老蔵の来演があり豪華である。開演前にすぐそばにある「出雲の阿国」の像の写真を撮った。

 幕間に福井のHさん夫妻をおみかけして声をかけた。今年はお互いに舞台から投げられた手ぬぐいを手を入れるという幸運な年であった。席は1階17列20番であった。

第一 傾城反魂香 土佐将監閑居の場 
 舞台は、田舎の侘び住まいである。始めに、絵から抜け出た虎を、絵師である土佐将監(竹三郎)の弟子の修理之助(亀鶴)がなぞって消す。もう一人の弟子又平(翫雀)おとく(藤十郎)の夫婦が訪れる。吃音のある又平は、認められないことをくやしがる。又平が石の手水鉢に描いた自画像が抜けるという奇跡が起きて、土佐の名をもらうことが許される。後半は、扇雀と翫雀の踊りが中心になる。

 藤十郎が、おしゃべりだが夫を思うおとくを表現して秀逸だった。男役の時の藤十郎の雰囲気を思わせた。翫雀は、どもりという難しい役どころであるが、時にひょうきんな面もみせて熱演であった。

 竹三郎と扇雀は珍しく男役だが、竹三郎は絵師という役なので、落ち着いた感じがよくでていた。しかし師匠としての力強さには少し欠ける。同じく、扇雀も女形ではなく、傷を負った武士の役だが、剛毅な武士であった。将監の妻役の吉弥はおちついた品があった。

第ニ 元禄忠臣蔵 大石最後の一日
 真山青果による元禄忠臣蔵の最終編である。「御浜御殿綱豊卿」を前にみたことがある。

 幕が開くと、おとなしい色の室内のセットに、灰色の着物を着た義士が時間をつぶしている。そこに入ってくる僧侶や武士の衣装のあざやかな色が映える。沙汰を待つ義士の暗い気持ちと関係なく存在しつづける外の世界の対比を描いている。後半では、背景の庭が明るく浮かびあがる。

 内蔵助(吉右衛門)が登場すると場がひきしまる。そこに細川内記(種太郎)が入ってきて、内蔵助に言葉を欲しいという。内蔵助は「初一念を忘れるな」と答える。種太郎の若侍ぶりがいさぎよく、義士への思いをうまく表現していた。

 内蔵助が堀内伝右衛門(歌六)に呼ばれて、おみの(芝雀)に引き合わされる。おみのは、磯貝十郎左衛門(錦之助)に会わせるように頼む。おみの役は、男に変装した女という難しい役どころである。歌六は、思いやりのある武士役で親しみがもてた。錦之助はさわやかな若侍を演じて、ぴったりの役である。荒々しい武士よりこういう役がよく似合う。

 磯貝とおみのの二人に、吉右衛門が説くところでは、余りの口跡のよさに、場内からすすり声が聞こえた。吉右衛門の迫力ある台詞に涙がでそうになった。若い二人が可愛そうだからでなく、舞台全体が何か別世界のような奇妙な感覚におそわれたからである。

 幕府からの使い荒木十左衛門(歌昇)がきて、全員切腹と告げる。吉良家にもお咎めがあったことを聞いて内蔵助は、さわやかな笑顔をみせる。

 うす暗い舞台を白い裃をつけた義士が上手から入ってきてそのまま花道から去っていく。その中で、自害したおみのがスポットライトの中に浮かび上がり、磯貝と別れを告げる。それを見届けた吉右衛門は、「初一念を貫いた」と満足し、悟りきった面持ちで毅然と花道を下がっていくのであった。

 元禄忠臣蔵は理屈っぽい台詞が多いが、この場面ではその台詞がくどくなく、場面を盛り上げる効果を出している。吉右衛門の貫禄、台詞回しの見事さ、今一番花のある役者であると再認識した。それを関西でみられることは何という幸せであろうか。

   出雲の阿国像     ↓         
吉例顔見世興行 夜の部 京都南座 その1_d0097373_125884.jpg

   賀茂川上流を望む  ↓
吉例顔見世興行 夜の部 京都南座 その1_d0097373_2255681.jpg

by nori-126 | 2008-12-18 22:22 | 歌舞伎 | Comments(0)
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